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第59話  心がほどける夜に

last update Date de publication: 2026-08-01 19:00:25

モールからの帰り道、朱里はまっすぐ帰る気になれず、駅前のロータリーを歩き回っていた。

手にはまだ、嵩とおそろいで買ったマグカップの袋がぶら下がっている。

──“これ、職場でも使えるね”

そう言って笑った嵩の顔が、頭から離れなかった。

けれど、胸の奥にはずっと小さな棘が刺さっている。

さっき見た瑠奈の笑顔。

あの、何でもないような笑顔が──どうしてこんなに刺さるんだろう。

ポケットの中でスマホが震えた。

画面を見ると、美鈴からのメッセージだった。

> 「デートどうだった?」

朱里は少し迷ってから、短く返した。

> 「楽し
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